1 タンパク質は毎食2品

 タンパク質は魚、肉、卵、大豆製品、乳製品から2品食べましょう。魚、肉、卵、大豆製品、乳製品です。

 タンパク質は膵臓からのインスリン分泌を促し血糖を下げますが、2型糖尿病でも発症から長い期間経っていてインスリン分泌能が少ない方や 1型糖尿病の方は蛋白質の効果は見られません。

 
 
 
2 食べる順番

 食べる順番が大事です。タンパク質を1番に食べます。プロテインファーストです。タンパク質は膵臓からのインスリン分泌を促し血糖を下げます。タンパク質が消化分解され吸収されるまでには時間がかかります。タンパク質は主食を食べる15分前に食べるのが効果的です。以前からベジファーストと言われてますが、野菜が主食の血糖上昇を抑制する働きは個人差が多く全く効果のない方も存在します。また野菜が血糖上昇を抑制する働きはドレッシングの油やお酢の影響も関与している可能性もあります。

 蛋白質を先に食べると食後血糖値の上昇が緩やかになります。次に水分の多い味噌汁などの汁物から食べます。水分はお腹に溜まるので、満腹感を感じやすくなります。お茶や麦茶もここで飲みます

 3番目に野菜や海藻、キノコ類など食物繊維を多く含む食べ物を食べます。食物繊維は 血糖値の上昇や、脂肪の吸収を抑えることができます。

 最後に食べるのがご飯や麺類などの糖質です。糖質を先に食べないことが、最大のポイントです。

 ご飯を先に食べた時に比べて魚や肉を食べてからご飯を食べると血糖が上がりにくいです。

 
 主食は15分後に食べるようにします。全部一緒に食べずにおかず、スープ、野菜の順に食べ15分後にパンを食べます。順番に食べる容易さを考えると白米よりパンの方がいいでしょう。最後にパンだけ食べる事は白米だけ食べる事より簡単です。白米はおかずと一緒に食べる習慣があるからです。カレーや丼物はどうしても白米とおかずを一緒に食べる事になります。
 

 ご飯のためのおかず、おかずのためのご飯にならないようにします。つまりご飯を食べるためにはおかずが必要、おかずを食べるにはご飯が必要とならないようにします。

 ご飯とおかず特に味の濃いおかずを一緒に食べるとご飯の量が多くなります。例えば鰻やサバみそ等などです。明太子や漬物もご飯の量が多くなります。おかずは薄い味付けにしておかずだけで素材の味を味わいます。ご飯もご飯だけ食べてご飯そのものの味を味わいます。

 
 和食のコースの様にご飯は最後に〆(しめ)で食べます。めしは最後に! 飯を最後から読むと しめ=〆(しめ)です。これは会席料理の献立の例です。野菜やおかずを15分以上かけてよく噛んで食べるとお腹が膨れてきます。最後にご飯だけで食べるとご飯はあまり食べなくてよくなります。
 

 タンパク質は同時より順番に食べる方が血糖があがりません。白米だけを食べる時よりも、味噌汁とサーモンや味噌汁と納豆の様に白米とタンパク質を同時に食べると血糖は上がりにくいですが、タンパク質を白米の前に順番に食べることで血糖は上がりにくくなります。

      味噌汁、サーモン

         味噌汁、納豆

 
 
3 1食で食べるたんぱく質の量

 主食(糖質)にもたんぱく質が入っています。1食につきたんぱく質20gを目指しましょう。主食も含めて20gです。ご飯軽く1杯に3g、食パン1枚に5g入ってます。

 

 

 1食につきたんぱく質20gを目指しましょう。大豆・乳製品・卵には1食にたんぱく質4~7g入っています。

ご飯+卵+納豆で16gです。

 

 肉・魚です。1食につきたんぱく質20gを目指しましょう。70-100gで蛋白質10-20gになります。

パン+シーチキンで18gです

 

 鱈を白米と一緒に食べる時に鱈の量が50gより100gの方が血糖が上がりにくい
   
 タンパク質を15分前に摂取すると効果的
 豚ももは白米と同時、直前より15分前が上がりにくいです。白米だけを食べる時よりも、豚モモを白米と同時に食べる時、直前に食べる時より15分前に食べる方が血糖が上がりにくいです。
 タンパク質た消化酵素で分解されてインスリン分泌を促進するには時間がかかります。
 
 血糖を下げるには豚もも120g、蛋白26gが必要です。白米だけの時に比べて、豚もも60gを白米の15分前に食べても血糖は変わりませんが、120g食べるとかなり下がります。
 
 タンパク質をよく噛むと効果的
 タンパク質はよく噛んだ方が血糖が上がりにくいです。白米だけを食べる時よりも、鶏モモを1口10回噛んで食べても血糖は変わりませんが、1口30回噛むと血糖が上がりにくくなります。
 
 タンパク質が消化酵素で分解されてインスリン分泌を促進するにはよく噛むことでその働きが増強されます。
 
 
 鱈を白米と一緒に食べる時に1口10回噛むより30回噛む方が血糖が上がりにくい
 
 鱈を白米と一緒に食べる時に1口10回噛むよりミキサー食で食べる方が血糖が上がりにくい
 

 おかずはよく噛んで主食はよく噛まない事が大事です。蛋白質、野菜や海藻、キノコ類など食物繊維は1口30回噛みましょう。一方、主食は1口10回噛みましょう。

 
 
 
 
6 血糖が上がりにくい蛋白質
① ツナオイル煮と水煮を比較しました。白米だけを食べる時よりも、15分前であればオイル煮も水煮も血糖を上げにくくします。
 
② 鍋(肉、豆腐)は血糖が上がりにくいです。白米だけ食べる時より豚の入った鍋を白米の前に食べると血糖の下がりはわずかですが、豚と豆腐の入った鍋は血糖を下げます。タンパク質は必ず2品食べるようにしましょう。〆のご飯は血糖が上がりにくいです。ただし野菜だけでは血糖を下げませんでした。
 
➂ 豆乳は15分、30分前だけでなく食前でも効果あります。白米だけを食べる時よりも、豆乳を15分前や30分前に飲むと血糖が上がりにくいですが、食前に飲んでも血糖が上がりにくいです。
 
④ 牛乳は30分前より食前が血糖を上げないです。白米だけを食べる時よりも、牛乳は30分前より食前に飲むと血糖が上がりにくくなります。
 

⑤ プロテインバーは食前でも効果があります。白米だけを食べる時よりも、プロテインバーは15分前だけでなく食前でも効果があります。

 

 

⑥ホエイプロテイン20gは食前でも効果あります

パンだけ食べる時よりはホエイプロテイン20gをパンの食前に取ると効果があります。

 
⑦ ゆで卵以外は効果があります。白米だけを食べる時よりも、ゆで卵は血糖が変わりませんが、卵焼きや目玉焼を食前に食べると血糖が上がりにくくなります。生卵も上がりにくくなりますが白米と同時に食べています。
 

⑧ チーズは白米と同時でも効果があります。白米だけを食べる時よりも、チーズは白米の30分前に食べる時だけでなく同時に食べても血糖が上がりにくくなります。

 

 

⑨ ゆで卵とチーズを一緒に食べるとそれぞれ単独より血糖を下げます。白米だけを食べる時よりも、30分前にゆで卵、チーズをそれぞれ食べると血糖が上がりにくいですが、ゆで卵とチーズを両方食べるとさらに血糖が上がりにくくなります。

 
7 野菜たっぷりのおかず
 野菜たっぷりのおかずを作りましょう。豆腐、チーズ、シーチキン、サラダチキン、かつお節、卵と野菜を一緒に料理しましょう。サラダ、炒め物、お浸し等で食べます。
 
 
 
 野菜のおかずとして小松菜のツナ卵炒め、キノコやこんにゃくをプラスした筑前煮があります。また蛋白質3品のおかずには生卵かつお節冷ややっこがあります。